テクニカル分析の基礎」カテゴリーアーカイブ

トレードで必要なテクニカル分析に関する基礎知識の記事をカテゴライズします。

チャネルライン

チャネルには、経路、水路、溝、道筋、等の意味があります。また、価格は往々にして2本の平行線の中で動くことがあります。FXのテクニカルでいうチャネルは2本の平行なラインで囲まれた範囲を経路のように価格が動くことをチャネルの中での値動きと言います。
価格がチャネルの中で動くのか、チャネルを超えて大きく動くのか、チャネルラインを引いてトレードのエントリーとエグジットに活かします。

1.チャネルラインの引き方
2.チャネル内の値動き
3.チャネルを逸脱

1.チャネルラインの引き方

値動きを観察する2本の平行線(チャネルライン)の引き方は大きく2通りあります。

MT4でのチャネルラインの引き方はこちらを参照して下さい。

トレンドラインをベースとしたチャネルライン

チャネルライン(トレンドラインベース)の例

トレンドラインをベースとしたチャネルラインはトレンドラインをベースとしたチャネルラインです。
チャネルのペアラインは、上昇トレンドであれば、トレンドラインと平行に安値と安値の間の高値を通るラインです、下降トレンドであれば、トレンドラインと平行に高値と高値の間の安値を通るラインです。

アングル変化のチャネルライン

チャネルライン (アングル変化)の例

アングル変化のチャネルラインは、上昇トレンドであれば、高値と高値を結んだラインをベースラインとし、チャネルのペアラインは高値と高値の間の安値を通るラインです。
下降トレンドであれば、安値と安値を結んだラインをベースラインとして、チャネルのペアラインは安値と安値の間の高値を通るラインです。

2.チャネル内の値動き

トレンドラインをベースとしたチャネルライン

チャネル内の値動き (トレンドラインベース)の例

チャネルラインの中で価格が動くことを確認できれた時に、保守的にトレードするのであればチャネルのペアライン付近をロングポジションの利確のターゲットとして利用するトレード方法があります。
積極的にリスクを取るトレードをするのであれば、ペアライン付近でショートのポジションを取るトレード方法があります。

アングル変化のチャネルライン

チャネルライン内の値動き (アングル変化)の例

アングル変化のチャネルラインも基本的にはトレンドラインをベースにしたチャネルラインと判断は同じです。
一つ言えるのは、アングル変化のチャネルラインが引けるということは、トレンドの勢いが弱まってきている可能性があるということです。
アングル変化のチャネルラインの傾きが非常に緩やかである時、積極的にリスクを取るトレードをするのであれば、アングル変化のベースライン付近でショートのポジションを取るトレード方法があります。

保守的にトレードするのであればチャネルのペアライン付近をロングポジションの利確のターゲットとして利用するトレード方法を選択すべきでしょう。

3.チャネルの逸脱

トレンドラインをベースとしたチャネルラインの場合

チャネルの逸脱 (トレンドラインベース)の例

上昇のチャネルにおいてチャネルペアラインを超えて、チャネルの情報へ突き抜けてしまう場合は、現在のトレンドが強く加速されている状態と判断し、ポジションを積み増す(ピラミッディング)ポイントと判断するトレーダーもいます。

アングル変化のチャネルラインの場合

チャネルの逸脱 (アングル変化)の例

上昇トレンドの途中で、引くことができるアングル変化のチャネルラインはトレンドの勢いが弱まっていることを示唆する場合があります。
この状態で、チャネルペアラインをブレイクする時はトレンドが反転する可能性が非常に高まっています。

添付の図、チャネルの逸脱(アングル変化のチャネル)を参照して下さい。
どこかで見たチャートパターンでは無いでしょうか、そうですヘッドアンドショルダーですね。
この例の場合少しずれていますが、チャネルペアラインがヘッドアンドショルダーのネックラインとなっています。

アングル変化のチャネルラインを引くことにより、他のパターンを見逃しても結果としてエントリーポイントを発見する確率は高くなります。

フィボナッチを使ったテクニカル

フィボナッチは、13世紀のイタリア人数学者レオナルド・フィボナッチが発見した数列です。
このフィボナッチ数列と、数列から計算されるフィボナッチ比率は、一見無秩序な動きと思える自然界の各所で観察されています。
ならば、自然界と同じように一見無秩序に思えるマーケットの値動きも、フィボナッチ数列の法則が応用できるのではないかと考えられています。

1.フィボナッチ数列
2.フィボナッチ数列と黄金比
3.フィボナッチリトレースメント
4.フィボナッチエキスパンション

1.フィボナッチ数列

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,・・・・・・・・
この数列の規則性は、はじめの2つの1を除いたこの数列のそれぞれの数は、その1つ前の数と2つ前の数との和になっています。
1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13、・・・・・・
このような数列をフィボナッチ数列といいます。

このフィボナッチ数列の数字は自然界に多く見られます。
1:花の花弁の枚数は3枚、5枚、8枚、13枚のものが多く見られます
2:ヒマワリの種の並び方はらせん状に21個、34個、55個、89個、・・・と並んでいます
3:松ぼっくりやパイナップルのかさを良く観察すると右回りに8個ずつ、左回りに5個ずつ、または、右回りに5個ずつ、左回りに3個ずつになっています。

2.フィボナッチ数列と黄金比

フィボナッチ数列の隣り合う数値で、または、1つ空けた隣の数値で比率を求めてみましょう。

隣り合う上位の数値に対する比率は、0.618に近づいていきます。(右側の数値で除算)
8÷13=0.6153、13÷21=0.619、21÷34=0.6176、34÷55=0.6181

隣り合う下位の数値に対する比率は、1.618に近づいていきます。(左側の数値で除算)
13÷8=1.625、21÷13=1.6153、34÷21=1.619、55÷34=1.6176

0.618と1.618は【黄金分割比】と呼ばれ、古来から、建築、彫刻、デザインの分野、最近の身近なものではクレジットカード等、美しいと感じるデザインの中の数値の比率を求めてみると現れる比率です。

2つ上位の数値に対する比率は、0.382に近づいていきます。(1つ空けた右側の数値で除算)
8÷21=0.3809、13÷34=0.3823、21÷55=0.3818、34÷89=0.382

2つ下位の数値に対する比率は、2.618に近づいていきます。(1つ空けた左側の数値で除算)
13÷5=2.6、21÷8=2.2525、34÷13=2.615、55÷21=2.619

3つ上位の数値に対する比率は、0.236に近づいていきます。(2つ空けた右側の数値で除算)
8÷34=0.2352、13÷55=0.2363、21÷89=0.2359、34÷144=0.2361

3.フィボナッチリトレースメント

トレンドは一直線に上昇することは極めてまれで、必ず上下の波動を伴って、上昇しては調整の下げを見せて再度上昇して行きます。
フィボナッチリトレースメントは、調整の下げがどの価格までになるだろうか、調整の戻りがどの価格になるだろうかを、フィボナッチ比率を応用して推測しようというテクニカル分析手法です。

フィボナッチリトレースメントは戻りの価格を比率で計算する手法です。

フィボナッチリトレースメントの例

戻りの比率として主な比率は、38.2%、50%、61.8%です。
補助的に、23.6%と76.4%を使用するパターンもあります。

強いトレンドにおいては、最小の戻しはだいたい38.2%です。弱いトレンドにおいては最大の戻し幅は61.8%です。
特に強いトレンドにおいては、23.6%辺りが最初の戻しの目途になる場合もあります。
また、ボラティリティー(値動きの大きさ)が大きい通貨ペアなどでは76.4%辺りが最大の戻し幅になる場合もあります。

MT4のフィボナッチリトレースメントの使用方法はこちらをご覧ください。

4.フィボナッチエクスパンション

フィボナッチエクスパンションは、上昇トレンドを例に取ると、上昇トレンドの上昇幅と押し目の価格を基準として、高値を更新した時に、どのくらい高値を更新するかをフィボナッチ比率をもとに計算する手法です。

主に、利益確定のターゲットをどこに置くべきかを判断するのにつかわれます。

フィボナッチエキスパンションの例

上昇トレンド波動の上昇幅を100%ととして、押し目の価格から、比率で計算した価格をターゲット価格とします。
ターゲットを計算する割合として、61.8%、100%、161.8%が主に使われます。
レベルの追加例として、123.6%、138.2%を追加することもあります。

MT4のフィボナッチエキスパンションの使用方法はこちらをご覧ください。

3トップ型のチャートパターン

トレンドの終えんに3つの山や3つの谷が現れることがあります。
ヘッドアンドショルダーでもなくトリプルトップにも当てはまらないのですが、3つの山や谷を注意深く観察することでトレンドの転換を捉える事ができます。
ともに前提として、パターンが現れる前にしっかりしたトレンドが存在することが必要です。

1.3トップ型パターン1

買いのパターン

 3トップ型パターン1買いの例

大きく下げたトレンドの後、1つ目の安値と2つ目の安値を結んだトレンドラインの傾きより、
2つ目の安値と3つ目の安値を結んだトレンドラインの傾きがより緩やかである時、
1つ目の安値と3つ目の安値の間の戻り高値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

売りのパターン

 3トップ型パターン1売りパターンの例

大きく上げたトレンドの後、1つ目の高値と2つ目の高値を結んだトレンドラインの傾きより、
2つ目の高値と3つ目の高値を結んだトレンドラインの傾きがより緩やかである時、
1つ目の高値と3つ目の高値の間の戻り安値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

2.3トップ型パターン2

買いのパターン

 3トップ型パターン2買いパターンの例

大きく下げたトレンドの後、1つ目の安値と2つ目の安値の値幅が、1つ目の安値とその戻り高値の値幅の半分以下で、
2つ目の安値と3つ目の安値の値幅が、2つ目の安値とその戻り高値の値幅の半分以下で、
1つ目の安値と3つ目の安値の間の戻り高値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

売りのパターン

 3トップ型パターン2売りパターンの例

大きく上げたトレンドの後、1つ目の高値と2つ目の高値の値幅が、1つ目の高値とその戻り安値の値幅の半分以下で、
2つ目の高値と3つ目の高値の値幅が、2つ目の高値とその戻り安値の値幅の半分以下で、
1つ目の高値と3つ目の高値の間の戻り安値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

3.3トップ型パターン3

パターン3は、パターン1・2と異なり、トレンドの最後の高値、安値を第1の山、谷として、その右側に2つの山、谷ができることで3トップ型のチャートパターンを形成します。

買いのパターン

 3トップ型パターン3買いパターンの例

大きく下げたトレンドの後、2つ目の安値が1つ目の安値を下抜けず、3つ目の安値が2つ目の安値を下抜けず、、
1つ目の安値と2つ目の安値を結んだトレンドラインの傾きより、
2つ目の安値と3つ目の安値を結んだトレンドラインの傾きがより急角度である時、
1つ目の安値と3つ目の安値の間の戻り高値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

売りのパターン

 3トップ型パターン3売りパターンの例

大きく上げたトレンドの後、2つ目の高値が1つ目の高値を上抜けず、3つ目の高値が2つ目の高値を上抜けず、、
1つ目の高値と2つ目の高値を結んだトレンドラインの傾きより、
2つ目の高値と3つ目の高値を結んだトレンドラインの傾きがより急角度である時、
1つ目の高値と3つ目の高値の間の戻り安値に引いたトレンドラインを越えれば反転と判断します。

これらの3トップパターンはいずれも、しっかりしたトレンドができているけれども、その勢いが少しづつ落ちてきている兆候を、3トップの形状で捉え、反転を待ってエントリーするトレード戦術に適用できます。

高値を安値切り上げる、切り下げる角度が緩やかになってきている点や、押し目や戻りの調整が入った後、調整前の高値安値を元のトレンド方向へどれくらい更新しているかという点等をテクニカルに確認して、反転の兆候を捉えます。比較的見かけますので、是非探してみてください。そして、しっかり検証してご自身の判断でトレードに活かしていただければと思います。

継続型チャートパターン

チャートパターンとは、値動きの結果チャート上に現れるパターンを捉えて、その後の値動きを予測するテクニカル分析の手法です。
チャートパターンには、反転型(トレンドに重大な反転が見込まれる)と継続型(トレンドの継続が見込まれる)の二つのパターンがあり、ここでは継続型について検証します。
継続型のチャートパターンの主なものに、フラッグ、ペナント、レクタングル、等があります。

1.前提
2.フラッグ
3.ペナント
4.レクタングル

1.前提

継続型のチャートパターンにおける横ばいの動きは、トレンドの一時休止、調整を示すもので、休止、調整が終了すれば、元のトレンド方向へ戻るのが特徴です。
従って、チャートパターンが現れる前提として、トレンドと判断できる値動きが事前に認められることが重要となります。

2.フラッグ

現在のトレンドと逆の傾斜を持つ2本の平行なラインで囲まれた横ばいの値動きをし、その形が旗のような形に見えることからフラッグと呼ばれます。
トレンドが上昇トレンドにあるときはフラッグはいくばくか下を向いた形となり、下降トレンドにあるときはいくばくか上を向いた形となります。
トレンド方向へフラッグを形成するラインをブレイクすることでトレンドの休止は終了します。

チャートパターンフラッグの例

3.ペナント

現在のトレンドに対して、2本のトレンドラインが収束する形で取り囲んだ横ばいの値動きを、三角形のペナント旗のような形に見えることからペナントと呼ばれます。
トレンド方向へペナントを形成するラインをブレイクすることでトレンドの休止は終了します。

チャートパターンペナントの例

4.レクタングル

現在ののトレンドに対して、2本の水平線で囲まれた横ばいの動きを、長方形の形に見えることからレクタングルと呼ばれます。
トレンド方向へレクタングルを形成するラインをブレイクすることでトレンドの休止は終了します。

チャートパターンレクタングルの例

継続型のチャートパターンは、あまりに当たり前といえば当たり前になってきてしまいますが、動き始めたトレンドに乗るコストの良いエントリーポイントを示唆してくれるチャートパターンと言えます。
トレンドの初動を捕まえるのはなかなか難しく、ワンテンポ遅れても、2番、3番のトレンドに乗る上で重要なチャートパターンと考えています。

反転型チャートパターン

チャートパターンとは、値動きの結果チャート上に現れるパターンを捉えて、その後の値動きを予測するテクニカル分析の手法です。チャートパターンには、反転型(トレンドに重大な反転が見込まれる)と継続型(トレンドの継続が見込まれる)の二つのパターンがあり、ここでは反転型について検証します。
反転型のチャートパターンの主なものに、ヘッドアンドショルダー、ダブルトップ、トリプルトップ、ラウンドトップ等があります。

1.各パターンの共通の前提事項
2.ヘッドアンドショルダー・逆(リバース)ヘッドアンドショルダー
3.トリプルトップ・トリプルボトム
4.ダブルトップ・ダブルボトム
5.ラウンドトップ・ラウンドボトム

1.各パターンの共通の前提事項

・あらかじめトレンドが存在すること

反転パターンを判断する上で、あらかじめしっかりしたトレンドがあることが大前提です。
そもそもトレンドが無ければ反転とは言えないわけですから、しっかりしたトレンドが現れていない中で、パターンが現れてもそれは反転パターンに該当しないと言えます。

・トレンドラインのブレイク

あらかじめ現れているしっかりしたトレンドのトレンドラインがブレイクされたか確認することは大切です。
トレンドラインがブレイクされたからといって必ずしも反転するとは限りません、横ばいトレンドの始まりかもしれませんし、調整のパターンかもしれません。
とは言え、トレンドラインのブレイクが反転パターンへきっかけになり、チャートパターンが完成することにもなります。

・パターンが大きいほどその後の値動きも大きい

大きいほどという意味は、二つあります。
一つは、チャートパターンの上下の値幅が大きいことです。
もう一つは、チャートパターンの横幅、つまりパターンの完成に要した時間が長いことです。
価格がチャートパターンの中で大きく上下するほど、そしてパターンの完成に長い時間がかかるほどそのパターンは重要なものとなり、その後の値動きも大きなものとなる可能性が大きくなります。

2.ヘッドアンドショルダー・逆(リバース)ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーの例

高値安値を切り上げながら上昇トレンドが続いて来たが、次第に勢いを失いかける場面を考えてみましょう。A点で高値を付けて、B点まで押し目を付けました、ここまでは上昇トレンドの中の動きと判断できます。
その後、C点で高値を付けた時に、A点の高値を大きく更新できませんでした、そして、D点で押し目を付ける過程で上昇トレンドラインをブレイクしてしまいました。
その後トレンドが継続するのであれば、C点の高値を上抜けて行く値動きが必要ですが、そこまでの勢いは見られず、上昇トレンドに変調を来していることが見受けられます、高値はE点止まりとなりました。
そして、B点とD点を結ぶネックラインをブレイクしてヘッドアンドショルダーのパターン完成です。

ブレイクされたB点とD点を結ぶネックラインですが、その後レジスタンスと機能することがしばしば見受けられます。したがって、極めて保守的にトレードするのであれば、最初にネックラインをブレイクした時ではなく、ブレイクしてしばらくして、再度ネックラインへ接近したところを狙ってエントリーするトレード方法もあります、G点辺りでのエントリーです。

目標価格の推測:ヘッドアンドショルダーのチャートパターンでは、パターンが完成したら、
C点とネックラインを結んだ距離(価格差)と同じ距離を、ブレイクしたネックラインからの最低目標価格とすると良いと言われています

逆(リバース)ヘッドアンドショルダー

逆(リバース)ヘッドアンドショルダーの例

逆(リバース)ヘッドアンドショルダーは、ヘッドアンドショルダーをひっくり返した形で、下降トレンドの最終局面に現れるチャートパターンとなります。
下降トレンドラインをブレイクし、C点の安値を更新できずにネックラインを上方へブレイクすればパターン完成です。

3.トリプルトップ・トリプルボトム

トリプルトップ、トリプルボトムは、まれに発生しますが、このパターンはヘッドアンドショルダーの変形にすぎないと言ってよいでしょう。
大きな違いは、トリプルトップボトムの場合は3つの頂上ないし谷が3つとも大体同じレベルにあることです。

・トリプルトップ

 トリプルトップの例

・トリプルボトム

 トリプルボトムの例

4.ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップもダブルボトムも比較的良く見受けられるチャートパターンです。
基本的な考え方はヘッドアンドショルダーと同じです。トレンドの勢いが弱まったことをチャートパターンで認識し、ネックラインブレイクでエントリーを検討します。

・ダブルトップ

 ダブルトップの例

・ダブルボトム

 ダブルボトムの例

5.ラウンドトップ・ラウンドボトム

ラウンドトップとラウンドボトムはソーサー(皿)トップ、ソーサーボトムとも呼ばれます。
上記3つのチャートパターンに比べると頻度は低いのですが、下値を固め、上値を固めてから、次のトレンドがゆっくり発生するパターンなので見つけたら、じっくりトレンドに乗れる可能性があるので覚えておかれると良いと思います。
トレンドの終えんで、値動きが小さく長くトップの期間が続き、トップの期間後チャートの形状がお皿をかぶせたような形状がしているからそう呼ばれています。
ボトムでは、お皿で受け止めるようなチャートの形になります。

・ラウンドトップ

 ラウンドトップの例

・ラウンドボトム

 ラウンドボトムの例

チャートパターンを理解するうえで重要なことは、形を覚えることもそうですが、トレンドの勢いが落ちてきていることを示すチャートパターンを捉えることにあります。市場参加者の買い意欲、売り意欲がチャート上のどこに集まっているのか、チャート上のどこで、どのタイミングで、どちらの方向へポジションを持てば優位性のあるトレードになるかを考えることが重要です。

サポートとレジスタンス

テクニカル分析を行う中でサポートとレジスタンスは大変重要な概念であると言えます。
サポートとレジスタンスを理解することで優位なエントリーポイントやエグジットポイントを発見することにつなげていけます。

A.サポートとレジスタンス
B.サポートとレジスタンスのが意識される理由
C.サポートとレジスタンスの逆転

A.サポートとレジスタンス

サポート(下値支持線)とレジスタンス(上値抵抗線)

サポートは、下げてきた価格が下げ止まり、反転上昇した価格のラインです。
売り圧力が強い局面で、その売り圧力に買い圧力が上回った価格帯と言えます。結果的に価格は下げ止まり上昇します。

テクニカル分析サポート(下値支持線)の例

レジスタンは上げてきた価格が上げ止まり、反転下落した価格のラインです。
買い圧力が強い局面で、その買い圧力に売り圧力が上回った価格帯と言えます。結果的に価格は上げ止まり下落します。

テクニカル分析レジスタンス(上値抵抗線)の例

一般的にサポートは、前安値を指す場合が多く、レジスタンスは前高値を指す場合が多いようです。

サポートやレジスタンスを捉えるときは、ピンポイントの価格で捉えるのではなく、ゾーンやレベル感のように、少し幅を持って捉える方が良いと言われています。

B.サポートとレジスタンスのが意識される理由

説明を単純化する為に市場参加者を買いポジションを持つ人、売りポジションを持つ人、ポジションを持っていない人3つに分類します。

例えばマーケットがあるサポートレベルまで下がって、揉み合った後上昇に転じたと仮定します。

買いポジションを持つ人は含み益があることを喜びながら、もっと買っておけばよかったと思うでしょう、
売りポジションを持つ人は含み損を抱えて、しまったと後悔しながら、なるべく損を小さく買い戻しができないか思案するでしょう、
ポジションを持っていない人は、価格が上昇した事実を前にして買い方向でポジションを構築する決断をし、参入する為の買い場を探すでしょう、

この状態で、万一価格が再度サポートレベルまで下がるとこれらの参加者の買い圧力で価格が押し上げられることになります。

サポート付近での取引が多いほど、サポートの重要性も大きくなります。取引が多いということは、そこでポジションを持とうという参加者が多いということになります。
参加者が多いということは、そこのサポートレベルで多くのポジションが保有されることになるからです。

サポートもレジスタンスもその付近での取引が多いほどサポートの意味合いが強く大きくなります。
サポートの強さ大きさは、どれくらい長い時間、どれくらいのボリュームがそこで取引が行われたかに影響されます。
また、どれくらいの近い時期の取引であったかという点も重要となります。

C.サポートとレジスタンスの逆転

ある時まで、サポートとして機能していたレベルを、安値方向へブレイクすると、今度はサポートレベルがレジスタンスへと変化する。
また、ある時まで、レジスタンスとして機能していたレベルを、高値方向へブレイクすると、今度はレジスタンスレベルがサポートへと変化し、サポートとレジスタンスの役割が逆転することがあります。

このサポートとレジスタンスの逆転現象は為替のマーケットの中では、比較的良く見られます。また、絶好のエントリーのチャンスでもあります。

サポートがレジスタンスに変化する実際のチャートの例
2016年2月10日~26日にかけての EURUSD1時間足のチャートです。

テクニカル分析サポートがレジスタンスに変化する実際の例

EURUSD 1時間足チャートその後です

テクニカル分析サポートがレジスタンスに変化する実際の例のその後

このサポートレジスタンスが逆転するポイントを発見したら、損小利大でエントリーする絶好のチャンスとなるでしょう。

レジスタンスがサポートに変化する実際のチャートの例
2015年11月11日~25日にかけてのAUDUSD 1時間足のチャートです

テクニカル分析レジスタンスがサポートに変化する実際の例

AUDUSD 1時間足チャートその後です。

テクニカル分析レジスタンスがサポートに変化する実際の例その後

トレンドとトレンドライン

テクニカル分析を行う上で、トレンドの概念は、売り・買いどちらにエッジ(優位性)があるかを判断するうえで必須の概念です。トレンドの概念には様々な判断基準がありますが、ここでは、ダウ理論とそれに付随したトレンドラインについて検討してみます。

1.トレンドの定義(ダウ理論による)
2.トレンドラインの定義
3.実戦でのトレンドラインの判断
4.トレンドラインで推測するストップロスの位置

1.トレンドの定義(ダウ理論による)

トレンドは直訳すると、傾向・動向・流行・流れる向き・等です。
トレードでは価格が動く向き(方向)という意味になります。

ダウ理論の定義によると、

連続する高値、安値の各々がその前の高値、安値より上である限り、上昇トレンド
連続する安値、高値の各々がその前の安値、高値より下である限り、下降トレンド
連続する安値、高値の各々がその前の安値、高値より上であり下である、横ばいトレンド

となっています。

イメージで表すとこんな感じです。
・上昇トレンド

上昇トレンドの例

・下降トレンド

下降トレンド例

・横ばいトレンド

横ばいトレンド例

2.トレンドラインの定義

上昇トレンドの安値を結んで引いたラインが、上昇トレンドライン、
下降トレンドの高値を結んで引いたラインが下降トレンドラインです。

実際のチャートに引いてみた例がこちらになります。

トレンドラインを実際にチャートに引いた例

一般的には、トレンドラインの特性として、上昇トレンドライン迄価格が下がってきて、トレンドライン辺りで価格が下げ止まり、価格が再度上昇に向かう、
下降トレンドライン迄価格が上昇してきて、トレンドライン辺りで価格が上げ止まり、価格が再度下落に向かう、値動きがすることがある、と言われています。
つまり、斜めのラインで、価格をサポート(下支えする)する、価格をレジスト(上で抵抗する)する特性があるとされています。
これを利用してトレード戦略を立てましょうというものです。

教科書的なトレンドラインとはこのようなものですが、トレードにどう役に立てればいいのか良くわかりませんね。
実際のチャートで引いてみて、トレンドラインと価格の動きがどのような関係にあるか整理してみましょう。

3.実戦でのトレンドラインの判断

ダウ理論の定義にしたがって引いたトレンドラインが、サポートやレジスタンスとして機能するケースはほとんど見られません。
MT4を利用して、過去チャートで、上昇トレンドライン下降トレンドラインを引いてみてください。
高値安値が同時に切り上がってから、上昇トレンドラインを、また、高値安値が同時に切り下がってから、下降トレンドラインを引いてみてください。
私が過去チャートをチェックした範囲では、トレンドラインがサポート・レジスタンスとして機能する確率は5割を切っています。

実際にはもっと低い確率でしょう。

テクニカル分析で重要なことは確率です、引いたトレンドラインの5割以上がサポートやレジスタンスと機能しないのであれば、そのトレンドラインのサポートやレジスタンスに従ってトレードすることは危険と言えます。

実際に発生確率が高いトレンドラインのパターンをご紹介しておきたいと思います。

A.トレンドラインの角度が緩やかなものから、徐々に急なものへと変化して行くパターン

USDJPYの2016年2月16日から2016年2月26日迄の10日間の1時間足チャートです。

トレンドラインの角度が変化するパターンの例

戻り高値を付けた1の地点から徐々に下げ始め、100Pips程度の戻りを入れながら、下落した相場となっています。

この値動きにトレンドラインを引くと赤、青、緑の3本のトレンドラインが引けます。
この3本のトレンドラインは、赤、青、緑の順に角度が急になっています。
また、この3本のトレンドラインがレジスタンスとして機能した点は○の一ヶ所のみです。

トレンドラインの定義にしたがってトレンドラインを引いても、このチャートの範囲では、トレンドラインを使ったエントリーのチャンスは1回しか見つからないということです。

また、このチャートのパターンのように、最初に引けるトレンドラインの角度が緩やかなもので、
その後に引けるトレンドラインの角度が急になって行くパターンは随所に見受けられます、そして、一旦トレンドラインをブレイクすると、
あっさり逆のトレンド方向へ向かっていくケースが多い傾向にあります。

B.トレンドラインの起点が最安値、最高値以外のパターン

以下のチャートをご覧ください。
USDJPYの2014年10月から2015年10月の1年間の日足チャートです。

トレンドラインの起点が最安値、最高値以外のパターンの例

2015年10月15日の安値は、米国ウォールマートの決算が悪化したことを受けて下げたのですが、
2014年10月15日の安値から、上海株暴落での安値2015年8月24日安値を結んだ線(トレンドライン)の延長線でピタリと止まっています。

このピタリと止まった、2015年10月15日の1時間足をチェックすると以下のようなチャートになっています。

トレンドラインの起点が最安値、最高値以外のパターン1時間足拡大

C.流れの中でのトレンドラインを引く

ダウ理論の定義を無視してトレンドラインを引いてみましょう。
定義に囚われずに引くことで、相場の勢いを視覚的にわかりやすくする効果があります。
高値更新を失敗した、安値更新を失敗した相場は徐々に勢いを失います。

・下げてきた相場が反転上昇に向かう時
安値が切り上がっているけれども、高値が切り上がる状態では無い。
この状態から、高値を切り上げると急反発するケースがあります。

上昇トレンドライン引き方例

・上げてきた相場が反転下落へ向かう時
高値が切り下がっているけれども、安値が切り下がる状態では無い。
この状態から、安値を切り下げると、急落するケースがあります。

下降トレンドライン引き方例

余談ですが、安値、高値、安値、高値の4点が完成して、安値が切り上がる、かつ、高値が切り上がらなければ、上昇トレンドラインと呼ばない、
高値、安値、高値、安値の4点が完成して、高値が切り下がる、かつ、安値が切り下がら無ければ下降トレンドラインと呼ばない、
そしてそれを満たさないトレンドラインは引いてはいけない、トレンドラインと呼ばない等と平気で教えるところもあります。

そもそも、トレンドラインと呼ぶか否かではなく、斜めのラインで市場参加者が意識している価格ポイントを探ることが最も重要なポイントなのですが・・・市場参加者が意識しているところをチャート上から探すのがテクニカル分析の第1の目的です。

4.トレンドラインで推測するストップロスの位置

以下のような上昇トレンドがあり、運よく買い持ちのポジションを持てたあなたは、どこにストップを置きますか?

トレンドラインで推測するストップの位置

そう、トレンドラインの少し下の価格におきますよね、利益が伸びれば、トレンドラインに沿って切り上げることも検討しますよね。
ということは、トレンドラインに沿って、ストップロスが溜まっている可能性があるということですね。

以下のチャートが上記トレンドのその後です。

トレンドラインで推測するストップの位置続き

ストップロスが溜まっている可能性があるということは、トレンドラインの前後5~10Pipsの価格が点けばストップロスがつくこととなり、価格が走る可能性がありますね。そして終値でトレンドラインをブレイクしたら、トレンドは一旦終了と見るべきでしょう。

逆に、このトレンドラインがトレンドラインとして機能するのであれば、安値ではブレイクするが、終値では戻る場合があります。ストップ狙いで一時的に安値を付けたけども、押し目や戻りと見て新規の買いや売りが増えて、トレンドが維持されるケースです。トレンドラインが機能したケースですね。

いくつかの例を示した通り、教科書の定義ではなく、市場参加者が意識するところが重要となります。みなさんも、過去チャートを分析して、いくつものトレンドラインを引いて見られることをお勧めします。

実際に斜めのラインを使ってエントリーのタイミングを計るトレード方法については別記事でご紹介したいと思います。

価格が動く理由(なぜ価格は動くのか)

FXトレーダーは為替の値動きがあるから利益を得ることができます(損失も被りますが・・・)
買った時の価格と、売った時の価格の差が生まれて初めて利益を得ることができます。

なぜ価格が動くのかを理解することは、為替の値動きで利益を得ようとするFXトレーダーには最も重要な基礎知識と言えます。

価格が動く理由は、ただ一つ、成り行き注文です。

売り買いどちらか一方の成り行き注文が多ければ多いほど価格は大きく動きます。
この時、注文の注文数では無く注文される通貨量が大きくなればなるほど価格は大きく動きます。

別の言い方をすると、
指値の売り手と成り行きの売り手の注文ロット(数量)合計よりも、成り行きの買い手の注文ロット(数量)が十分に大きければ価格は上がります。

逆に、指値の買い手と成り行きの買い手の注文ロット(数量)合計よりも、成り行きの売り手の注文ロット(数量)が十分に大きければ価格は下がります。

もうひとつ重要なポイントはストップロスの存在です。

ストップロス(逆指値注文)は、ストップロスで指定した価格が点灯した時点で成り行き注文が執行されます。
ということはストップロスが溜まっている辺り迄、価格が上がれば(下がれば)ストップロス注文が成り行き注文として執行されます。
そのストップロス注文のロット(数量)が十分に大きければ、更に価格は上がる(下がる)という価格の動きを示します。

ストップを狩りに来る場面、大きなストップが溜まっている価格を付けると値動きが加速します。
この加速を狙って、ロンドン時間、ニューヨーク時間にはストップロスが観測される価格まで下げる(上げる)場面が散見されます。

我々、一般トレーダーがFXトレードを行う為には、証券会社に口座を開設し、証拠金を預けて、証券会社との相対取引となります。
証券会社は、契約しているカバー先の金融機関から配信される価格(レート)を選択して、我々トレーダーに提示しています。

その提示される価格の元は、インターバンクと呼ばれる、世界中の銀行間での通貨交換のシステムです。インターバンクでの気配値(提示値)をもとに我々トレーダーが取引する価格(Price) が提示されています。

インターバンクでの取引量は最低100万通貨です。
この100万通貨は通貨ペアの左側の通貨の量です。
つまり、USDJPYであれば、100万ドル、GBPUSDであれば、100万ポンドが最低取引量です。
ドル円の為替レートを115円、ポンドドルの為替レートを1.5USドルで計算すると、ドル円の最低取引金額は1億1千5百万円、ポンドドルの最低取引金額は1億7千2百5十万円となります。

価格が動くイメージを以下に整理してみます。あくまでイメージです。

USDJPY(ドル円)のある瞬間の市場での注文状態をイメージします。

例1.比較的まとまった量の成り行き注文が持ち込まれる場合

為替の価格の動きを説明する

上記の状態に、5千万ドル(50単位)の成り行き買い注文が持ち込まれたら価格はどう動くでしょうか?

為替の価格の動きを説明する、成行買い注文が入った後の状態

103円へ価格が上昇することになります。

例2.ストップロスを巻き込む場合

為替の価格の動きを説明する、ストップロスが存在する状態で成行買い注文が入る前の状態

ストップロスの設定された金額と数量を想定して、5千万ドル(50単位)の成り行き買い注文が持ち込まれたら価格はどう動くでしょうか?

為替の価格の動きを説明する、ストップロスが存在する状態で成行買い注文が入った後の状態

一気に105円へ価格が上昇することになります。

実際のインターバンクでの取引は板方式では無く、インターバンクに参加している各銀行同士それぞれでの相対取引となっています。とは言うものの、今提示されているプライスで買います(売ります)、という成行の売買が価格を動かす大きな要因となっていることは間違いありません。